エンジニアが退職する5つの理由とマネージャーができる対応策

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チームのメンバーが辞める。…正直、マネージャーにとって一番きつい仕事の一つだよね。退職届を目の前にすると、なんか、パズルのピースが一つ、ごそっと抜け落ちたような感覚になる。

自分のやり方が悪かったのかな、とか。どうすれば防げたんだろう、とか。他のメンバーも辞めたいって思ってるんじゃないか、とか。ぐるぐる考えちゃう。長年一緒にやってきたエンジニアなら、なおさらね。

でも、転職って、どの業界でも普通のことなんだよね。必ずしもマネージャーのせいってわけじゃない。うん、そう思うことにしている。

先說結論

人が辞めるのは、避けられないこともある。でも、それはチームからの大事なサインなんだと思う。理由が分かれば、次はもっとうまくやれるかもしれない。個人攻撃と捉えずに、冷静に、次の一手を考えるのが大事。…まあ、言うは易し、なんだけど。

エンジニアが辞める「よくある理由」

なんで辞めちゃうんだろうね。色々なケースを見てきたけど、だいたい幾つかのパターンに収束する気がする。お金、人間関係、仕事内容…ありきたりだけど、根は深いんだよね。

メンバーが去った後の、空席を見つめる時間
メンバーが去った後の、空席を見つめる時間

理由1:やっぱり「お金」

これはもう、すごく分かりやすい理由。特にコロナ禍の後あたり、テック業界の給料ってめちゃくちゃ上がった時期があったじゃない?正直、あの上昇率についていけなかった会社は多かったと思う。うちみたいなスタートアップだと、巨大テック企業と同じ土俵で給料勝負するのは…まあ、無理だよね。

もちろん、市場の給与トレンドは常にチェックしてる。でも、いざ「給料が倍になるんで」って言われたら、引き止めるのは難しい。できることといえば、交渉してみるか、お金以外の魅力…ストックオプションとか、働き方の自由度とか…を提示するか。それでもダメなら、もう、幸運を祈って送り出すしかない。

理由2:会社との「相性」…つまりカルチャーのミスマッチ

会社のミッションやバリューを隅から隅まで読んで応募してくる人って、たぶんそんなに多くない。逆に、会社側も自分たちのカルチャーを明確に打ち出せていないことも多い。

でも、この「相性」って、思った以上に大事で。例えば、会社がチームの一体感を重視して、頻繁に集まりやイベントを開くとしよう。それはそれで良いことなんだけど、中には「一人で静かにコードを書いていたい」っていうタイプのエンジニアもいるわけだよね。

最初は仕事内容に惹かれて入社したけど、しばらくして「仕事は好きだけど、この文化は無理かも…」ってなって、もっと自分に合う場所を探し始める。逆もまた然りで、すごく厳格なルールで管理されてきた金融機関出身の人が、自由なうちみたいな会社に来て、逆に「構造がなさすぎて不安だ」って辞めていったケースもあったな…。アメリカのテック業界だと、こういう流動性は当たり前だけど、日本ではまだ「長く勤める」っていう価値観も根強いから、このミスマッチは結構メンタルに来るかもしれない。厚生労働省の調査とか見ても、離職理由の上位には必ず「人間関係」が入ってくるし、これって広い意味でのカルチャーミスマッチなんだろうな、と。

合わないものは、どう頑張っても合わない
合わないものは、どう頑張っても合わない

理由3:非効率なワークフロー

エンジニアって、基本的にクリエイティブな人たちだと思うんだ。技術的な挑戦が好きで、面白いプロジェクトに関わりたい。でも、現実の仕事って、全部が全部エキサイティングなわけじゃない。むしろ、退屈で反復的な作業も多い。

問題は、その反復作業が「無意味」とか「非効率」に感じられるとき。例えば、プロジェクトを切り替えるたびに、1分作業しただけでも、いちいちタイムトラッキングのボタンをクリックしないといけない、みたいな厳格すぎるルール。そういう小さなことの積み重ねが、じわじわとやる気を削いでいく。「小さな水滴も、長く続けば岩を砕く」って言うけど、まさにそれ。毎日毎日、非効率な一手間を繰り返していると、だんだん馬鹿らしくなってきて、もっと合理的なプロセスで働ける会社を探し始めちゃう。

理由4:解決されない「対立」

どんな職場でも対立は避けられない。それはエンジニアチームも同じ。技術的な方針の違い、性格の不一致、働き方のスタイルの差…。例えば、一人のエンジニアが繰り返すコーディングミスに、別のエンジニアがイライラを募らせていく、とかね。

マネージャーの役割は、こういう対立がチームのパフォーマンスや士気に影響を及ぼす前に、仲介して解決策を促すこと。放置された対立は、どんどんエスカレートして、最終的には「あの人がいるなら、自分が辞めます」みたいな最後通牒に発展しかねない。そうなると、もう手遅れ。

理由5:「ジョブホッピング」というキャリア戦略

特にここ数年で増えた感覚があるかな。「2年以上同じ会社にいたら、年収10%アップなんて望めないよ」みたいな風潮。一種のキャリアアップ戦略として、2〜3年で会社を移っていくスタイル。本人の自由だし、それでキャリアが拓けるなら良いことだと思う。

でも、会社側からすると、正直コストがかかる。ソフトウェアエンジニアが会社のプロセスに完全に馴染んで、フルパフォーマンスを発揮できるようになるまで、少なくとも1年はかかる。つまり、1年目は投資期間みたいなもの。その投資が回収できるかどうかっていうタイミングで辞められると、また新しい人を採用して、教育して…っていうサイクルの繰り返し。予算も削られるし、プロジェクトの進捗も遅れる。なかなか厳しいよね。

辞める理由と、その兆候、マネージャーにできること

じゃあ、どうすればいいのか。正直、完璧な答えはない。でも、理由ごとに対処法や心構えを整理しておくことはできると思う。ちょっとまとめてみた。

辞める理由 兆候とかサイン マネージャーができること(でも限界もある)
給与への不満 最近、競合の給与水準の話をしてきたり、評価面談でやたらお金の話をしてきたり。逆に、急に静かになる人もいるかも。 給与交渉はする。でも、会社の体力次第。無理なもんは無理。非金銭的な魅力(働き方、面白い仕事)で勝負するか、気持ちよく送り出すか。
カルチャーのミスマッチ チームの集まりに参加しなくなった。雑談が減った。「前の会社ではこうだった」みたいな発言が増える。 まずは1on1で本音を聞く。ただ、会社の文化自体は変えられないことが多い。採用段階で見極めるのが一番だけど…後からだと、異動とか、本人が楽になる方法を探るくらいしか。
非効率なワークフロー ツールやプロセスに対して不満を言うことが増える。「これ、意味あります?」みたいな。ため息が増えたり。 これは改善のチャンス。具体的に何が問題かヒアリングして、改善案を一緒に考える。くだらないルールなら、マネージャー権限で変えちゃう。
チーム内の対立 特定のメンバー同士の会話がなくなる。コードレビューが攻撃的になる。会議で空気がピリピリしてる。 即、介入。1対1で双方から話を聞く。あくまで中立な立場で。感情的にならず、事実ベースで解決策を探る。放置が一番ダメ。
ジョブホッピング 入社1年半くらいから、なんとなくソワソワし始める。LinkedInの更新が頻繁になったりとか…?これは見極め難しいな。 正直、これは止められないことが多い。キャリアプランを聞いて、今の会社で実現できる道がないか探るくらいかな。辞めること自体を否定しないのが大事。

じゃあ、マネージャーとして具体的にどう動く?

誰かが辞めるってなった時、感情的になっても仕方ない。それより、前に進むために、自分のアプローチを見直すことに集中したい。うん、自分自身から始めるんだ。

個人的に受け取らない

これ、すごく大事。動画配信サービスを乗り換える時って、別に前のサービスが悪いとか、そこの作品が全部つまらないってわけじゃないでしょ?ただ、見たい映画やドラマが、新しいサービスにある、っていうだけ。それと同じ。チームメンバーが辞めるのも、ほとんどの場合、個人的な恨みとかじゃない。

マネジメントは人間関係だけど、チームのポジションと結婚してるわけじゃないからね。彼らの新しい挑戦を応援して、幸運を祈って、必要なら推薦状を書いてあげる。それでいいんだと思う。プロとしての関係や、友人としての関係は、その後も続けられるかもしれないし。

残された仕事の整理

誰かが辞めたら、その人の仕事が宙に浮く。僕がいつもやるのは、後任が見つかるまで、その人が残した仕事の優先順位を思い切って下げること。絶対にやらないようにしてるのが、残ったメンバーにその仕事を押し付けること。それは不公平だから。

チームはジャズバンドみたいなものだって考えてる。サックス奏者が「別のバンドに移るよ」って言ったら、トランペット奏者にサックスのパートまで吹かせたりしないでしょ?サックス抜きでアンサンブルを再編成して、新しいサックス奏者を探す。それと同じ。

採用プロセスを見直す

もし、カルチャーが合わなくて辞める人や、最初からすぐ辞めるつもりで入ってくる人が多いなら、採用プロセスに問題があるのかもしれない。

例えば、面接の回数を増やして相性を見る時間を取るとか、会社の良いところだけじゃなくて、「うちはこういうところが大変だよ」っていうリアルな部分も正直に話すとか。僕はいつも、期待することは正直に、最初に全部伝えるようにしてる。それで候補者が引くなら、それはそれでお互いの時間を無駄にしなくて済んだってことだから。

信頼を築く、これに尽きる

最近、インドの会社が、従業員にストレス調査をさせて、ストレスが高いと答えた人を解雇したっていうニュースがあった。すごい問題解決法だよね…皮肉だけど。そんなことされたら、次の会社で問題があっても、誰も正直に話さなくなる。

結局、一番の離職防止策は、信頼関係なんだと思う。何か問題があった時に、チームのメンバーが安心してマネージャーに相談できる環境。そういう環境があれば、突然退職届を出されて驚く、みたいなことは減るはず。問題がこじれる前に、一緒に解決策を考えられるから。

信頼を築くのには時間がかかる。言ったことを守る、一貫性を持つ、ミスを認める、知らないことは知らないと言う。そういう地道なことの繰り返し。自分がチームのために動けば、チームも応えてくれる。そう信じてる。

どの道を選ぶかは、本人の自由
どの道を選ぶかは、本人の自由

反例と誤解の明確化

いくつか誤解されがちな点を最後に。まず、「離職率ゼロが理想」っていう考え。これは違うと思う。健全な新陳代謝は組織にとって必要だし、すべての人が永遠に同じ会社にいるわけじゃない。問題なのは、短期間にバタバタと人が辞めていく「異常な」離職率。

もう一つは、「良いマネージャーがいれば誰も辞めない」っていう幻想。これも違う。さっきも言ったけど、給料とか、本人のキャリアプランとか、マネージャーにはどうしようもない領域っていうのは絶対にある。だから、辞めていく人が出たからって、自分を責めすぎるのは良くない。できる限りのことをして、それでもダメなら、それは仕方がないこと。その状況を、敬意をもって受け入れるしかない。

結局のところ、人が辞めるのはよくあること。でも、その一つ一つの出来事を「何が起こったんだろう?」と考えるきっかけにすることが、マネージャーとして、チームとして成長するために、すごく、すごく大事なんだと思う。


あなたがマネージャーとして経験した中で、一番対応が難しかった離職理由って何でしたか?あるいは、エンジニアとして、本当はどんな理由で会社を辞めましたか?もしよかったら、コメントで聞かせてください。

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