データエンジニア初心者が現場で直面するスキーマ進化の理解ポイントと実例

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これ、多分いちばんデカい誤解なんだけど。

「スキーマって最初に決めたら終わり」って思ってると、データ基盤はだいたい静かに死にます。🙂

スキーマ進化(Schema Evolution)は、APIやストリーミングで変わり続けるデータの構造変更を、パイプラインを壊さず吸収する設計と運用のことです。Delta LakeApache Icebergは、列追加や型変更を履歴管理しながら扱えます。

  • まず見る:変更は「列追加」か「型変更」か「名前変更」か
  • 次に守る:後方互換(古いデータでも動く)
  • 事故りやすい:複数ソース混在、ストリーミングの途中で型が揺れる
  • 効く道具:Delta Lake / Apache Iceberg / AWS Glue / Great Expectations / DataHub / dbt
  • 最後に:「ルール化+検証自動化」しないと運用で燃える
Type 1 Flowchart:スキーマが変わったときの即席捜査ルート
Type 1 Flowchart:スキーマが変わったときの即席捜査ルート

スキーマ進化って結局なに

スキーマ進化(Schema Evolution)は、データ構造の変更を受けても、取り込み・変換・分析の流れを止めずに動かし続ける仕組みです。

で、ここで「スキーマ」って何かというと、データの設計図。列名、型、必須か任意か、みたいなやつ。

昔のシステムって、スキーマがカチカチで、列が1個増えただけでジョブが落ちたりする。落ちたらまだマシで、落ちずに間違ったまま流れるのがいちばん怖い。うわ、ってなるやつ。

データレイク系、特にDelta Lakeとか、Snowflakeみたいな現代寄りの仕組みは、そこを「変わる前提」で作ろうとしてる。変わる。絶対変わる。人の要求ってそういうもん。😮‍💨

「スキーマは仕様書じゃなくて、生き物。放置すると暴れる。」

なんでスキーマ変更がそんなに厄介なの

スキーマ変更が厄介なのは、データの構造が変わると下流の前提が連鎖的に崩れるからです。

リアルタイムのAPI、IoT、アプリイベント。こいつら、昨日と言ってることが違う。

追加の列が来る。名前が変わる。型が変わる。必須になったり、逆に消えたり。

で、現場って「止められない」んだよね。止めた瞬間、数字が見えなくなる。経営会議で沈黙が発生する。怖い。🙂

進階っぽい指標の話:単に「ジョブ成功率」じゃなくて、私はSchema Drift Rate(一定期間に起きるスキーマ差分の頻度)と、Breaking Change Ratio(互換性を壊す変更の割合)を見たくなる。これ、運用の体感と一致しやすい。

あ、今ふと思い出したけど、データ品質の事故って「遅延」より「静かな誤り」が長引くのが致命傷。発見が遅れる。犯人が分からない。探偵モード突入。🕵️

Type 2 Infocard:スキーマ変更あるある4分類
Type 2 Infocard:スキーマ変更あるある4分類

つまずきポイントはだいたい4つ

スキーマ進化の難所は、後方互換・データ欠損・型不一致・アップグレードとダウングレードの4つに集約されます。

後方互換:新旧のスキーマが混ざっても、下流が動く状態を保つこと。

例えば列名変更。これ、地味にヤバい。古い列名で参照してるSQLが全部死ぬ。

列追加はまだ優しい。優しいけど「必須」になった瞬間、牙をむく。

データ欠損:複数ソースで進化タイミングがズレると、片方だけ列がある/ないが発生する。

例のCSV:customer_id, amount_spent, timestamp の3つで来てたのに、ある日 payment_method が増える。増えた瞬間、古いファイルが「列足りません」扱いになると、取り込みが落ちる。

落ちるならまだいい。落ちずに null が増殖して、あとから集計が変な顔するのが怖い。

型不一致:intfloatdecimal になるやつ。

金額でこれやるの、めちゃ多い。最初は整数でいけたけど、税とか手数料とか、端数が出てくる。で、精度が欲しくなる。自然。

でも下流のテーブル定義が追いついてないと、キャスト失敗、丸め、最悪は桁落ち。

アップグレード vs ダウングレード:新しい列 discount_code を足した。でも古いレポートは、その列が存在しない前提で動いてた。

「過去の数字を同じ条件で再現したい」って要求、しれっと来る。だいたい夜に来る。🙂

Type 3 Multi-view Diagram:同じデータが「層」で別物になる
Type 3 Multi-view Diagram:同じデータが「層」で別物になる

対処の基本は5つの手筋

スキーマ進化を運用で回す基本は、スキーマのバージョニング、Schema-on-Read、進化ルール定義、検証自動化、変換レイヤー整備です。

1) スキーマをバージョン管理:スキーマをコードみたいに扱う。変更したら「v2」「v3」って履歴を残す。

Delta LakeやApache Icebergは、この「履歴と進化」の考え方と相性がいい。ここは素直に乗った方が楽。

2) Schema-on-Read を使う:書き込み時に厳密固定するより、読み取り時にスキーマを当てる発想。

AWS Glue みたいにカタログやクローラで「今こんな感じ」を把握して、クエリ側で吸収する。万能じゃないけど、現実の泥を吸ってくれる。

3) 進化ルールを明文化:「列追加は最初は任意」「型変更はキャスト規則必須」「列廃止はdeprecatedで猶予」みたいに、決める。

決めないと、毎回その場のノリで処理して、半年後に誰も説明できない化け物になる。

4) 検証を自動化Great ExpectationsやDataHubで、スキーマと品質チェックをテストに落とす。

「新しい列が増えたら通知」「型が変わったら失敗」「必須列がnullなら止める」みたいなやつ。地味。地味だけど効く。

5) 変換レイヤーを整える:dbt、Spark、Pandasで、欠損列を補う・リネームを吸収・型を揃える。

正直ここ、職人芸になりやすいから、ルールとテストで縛っておかないと、後で泣く。

ストリーミングだと何が起きるか

Kafkaのようなストリーミングでは、同じトピックに新旧スキーマが同時に流れ、スキーマ進化の問題が一気に表面化します。

ライドシェアっぽい例ね。ユーザー、トリップ、位置情報、決済。時間が経つと ride_status とか payment_method とか surge_multiplier とか増える。増える増える。

流れとしては、だいたいこんな感じ。

  • Ingest:Kafkaでイベント収集
  • Bronze:Delta Lakeに生で貯める(まず証拠保全)
  • Silver:欠損補完、型合わせ、列追加の吸収
  • Gold:集計して「安定した契約」を提供
  • Serve:BIがクエリ、増分処理で追随

ここで探偵っぽい質問を投げるとさ。

「今流れてきたそのイベント、どのスキーマ版?」

このタグ付け(バージョンや互換ルール)が曖昧だと、調査が地獄。ログ掘って、夜が溶ける。🙂

Type 4 Comparison Chart:Schema-on-Write と Schema-on-Read の温度差
Type 4 Comparison Chart:Schema-on-Write と Schema-on-Read の温度差

分かってる人ほど決めてる運用ルール

スキーマ進化は「技術」だけでなく、変更をどう通すかという運用設計で勝負が決まります。

ここ、ちょい現実寄りにいくね。日本の現場だと、データが社内の複数部門に跨ってたり、ベンダー提供のCSVが混ざってたりする。

で、変更連絡が…来ない。来ても遅い。あるある。

通路の話:データ基盤の運用って、結局「どこで誰が見てるか」が大事で、社内ならJira/Backlogで変更申請を切るとか、Slackの専用チャンネルでスキーマ差分通知を流すとか、そういう地味な導線が効く。

ツールとしてはDataHubでメタデータ追えると、あとから「誰が何を変えた?」を辿りやすい。証拠が残る。大事。

「スキーマ変更は技術イベントじゃなくて、コミュニケーション事故として起きる。」

人によって最適解が違うやつ

スキーマ進化の設計は、チームの働き方とデータ利用者の性格で最適解が変わります。

規則:ここだけ「If This Then That」置いとく。刺さる人には刺さる。🙂

  • 外食族みたいに「毎日状況が違う」チームなら:Schema-on-Read寄り+Bronzeに生保存、Silverで吸収。まず止めない。
  • 夜班みたいに「障害対応が少人数」チームなら:Great Expectationsで検証を厚めにして、Breaking Changeは即アラート。寝不足は敵。
  • 親子みたいに「利用者が多くて要求が増える」組織なら:スキーマのバージョニングとdeprecated期間を明文化。急に消すと炎上する。
  • 銀髪…じゃなくてベテラン運用が強い組織なら:Iceberg/Deltaの履歴とデータ契約(Goldの安定スキーマ)を固めて、下流の安心を優先。

なんか例えが変? まあいいや。言いたいのは「全員に同じ正解」はないってこと。

最後に、ツールを1個だけ握るなら

スキーマ進化の最初の一手は、スキーマ差分の検知と検証を自動化し、変更を「見える化」することです。

もし「何から触れば…」って状態なら、私はまずGreat Expectationsを推す。理由は単純で、スキーマと品質をテストにできるから。

で、メタデータ追跡にDataHub。変換はdbt。ストレージはDelta LakeかIceberg。オーケー、って感じ。

あ、免責っぽいのも一応。

注意:ここで書いたのは一般的な設計の話で、要件(SLA、監査、個人情報の扱い)で最適解は変わります。現場の制約、ほんとに強いからね。

Type 5 Two-column:よくある誤解 vs 現実のおすすめ
Type 5 Two-column:よくある誤解 vs 現実のおすすめ

FAQ みんながそこで詰まる

規則:FAQの答えは短く、でも曖昧にしない。

Q. スキーマ進化って、結局は列追加を許すってこと?

スキーマ進化は列追加だけでなく、列名変更・型変更・必須化などの変更を、互換ルールと検証で安全に扱うことです。

Q. Schema-on-Read にすれば全部解決?

Schema-on-Readは柔軟性を上げますが、型の揺れや必須項目の欠損は残るので、検証自動化と変換レイヤーが必要です。

Q. ストリーミングで一番怖いのは?

ストリーミングは新旧スキーマが同時に流れるので、バージョン識別と後方互換が曖昧だと下流の集計が静かに壊れます。

Q. どのツールから入るのが無難?

Great Expectationsでスキーマ検証を自動化し、DataHubで変更履歴を追えるようにすると、最初の事故率が下がります。

で、結局さ。

スキーマ進化って「変化を許す」話じゃなくて、変化を管理する話なんだよね。ふわっと許すと燃える。

金句:変わるのはデータじゃなくて、変わる前提を持たない運用のほう。

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